SAYONARAXXX

さよなら(ここに文字を入力)

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

20170826

よみがえらない夏の終わりで こっそりと水を飲もう 午後六時の彩度がおちていく スローモーション 凍りついた蝉時雨 ワンピースの燃えかす ね じ れ た 飛 行 機 雲 青空にサイレン 虚像 標本の蝶は皆、飛び立った 「また、会えるよ」 なんて そんな風に笑う…

20170715

カーテンの裏から手を伸ばす被験者 焦げていく 影 (それでも) 致死量の太陽光に気付けなかった 色のない 義眼 冷たい 虹彩 全部 見透かされていたって ―――――――――――いいんだ 繰りかす夜の果て 花はシーツと燃やした 罰も赦しもない場所で 罪のない、彼女が…

20170602

水たまりの金魚に エサをやる老人 溶けかけた標識は 3000光年先に 靴底についたガムを気にしながら 終わらない夏を ただ、待っている 無限の雨が逆さに降る街で 傘を持てない 君の流す涙だけが 重力に従った スコール 紫陽花の腐臭 蛆の湧いたソーダ水 17時…

20170429

19世紀、夏の終わり サーカスから逃げ出す 子どもを咎める大人はいない スパンコールの縫い目に 隠したやわらかいこころが これ以上縮んでしまわないように ネオン管の中で眠る 君の小さなまぶたが もう怖い夢を見ないように 体温 それだけで良かったのだ テ…

20170318

僕が描く 絵を見て君は、泣く (意味はないという意味がほしい) 人が死ぬ 映画を見て君は、笑う 「もう治らないんだってさ」 カレンダーを焼き尽くして! 国中の時計の針を折って! ――――――――――――――――――――――――――――――――もういいよ 壊れた洗濯機から生まれた …

20170218

இ軸の裏側で待ってることすら忘れて待っている君に 色褪せた約束でも 僕は覚えているよ あの白い花束が茶色く腐っても 交点の解は間違いだったけれど 君のうたう言葉はすべて正しく届いた 色とりどりの直線を描いて 次元を超える飛行機が衝突する座標でまた…

20161214

イルミネーションの明かりを ひとつずつ潰して 歪んだ光の渦の中 サンタクロースは死んだ 「ねぇ、私、あなたが決して与えられないものが欲しい」 この手の中のすべて すべてを灰にした 明日から何を燃やして 生きていけばいい? 小さな火の中で笑う 君の夢…

20161201

あらゆるポリグラフが 君の存在を否定した午後 病室の床に砕けた プリズムは光を跳ね返せない 車に乗って、行く さっきから1khzで鳴る幻聴が止まなくて 見慣れたはずのこの景色を、ぼくは知らない いきどまり see you ってつぶやいた 願いは 風にさらわれて …

20161113

世界中の電話機が壊れた夜 交換手は皆、眠りについた ラジオのノイズ越しに 秘密の暗号を送るから ちゃんと書き留めるんだ まぶたの裏側 3番目に見た夢の中 青色の公衆電話を探して ポケットの中の 擦り切れた銀貨で 失くしたはずの声だって聞こえる 忘れた…

20160829

涙の色が透明になるころ 最終処分場行きの終バスに乗って、来て 連なる有刺鉄線をこえたら 次の角を、右さ はじめましてもさようならも 君の手で埋めてよ 夜空の星の一員にもなれない 僕のためにうたってくれるなら いち にの さん で 忘れるおまじないをか…

20160715

環境ビデオの中で泳ぐ僕らは、どれだけの今日を繰り返した? 水のない水槽では 昨日も明日も意味を持たない チャンネルを切り替える手は油が切れて崩壊した 0と1でできた鮮やかな集合体 外にいる君には何に見える? ねぇ、もうすぐブラウン管は焼き切れる そ…